2013-01-01から1年間の記事一覧

IT企業の社員の健康管理:睡眠障害

御存じのようにIT企業やその他の企業でもSE(システムエンジニア)として働く方の健康障害、 特にメンタル疾患の有病率は高いものです。 その一方、雇用されている営業職は過重労働と過剰なノルマがなければ、意外に低いものです。 先日あるゲームソフト…

若い社員の食生活指導

先日、私がお世話になっているある会社での話。 若い社員の食生活の乱れを改善すべく、社長自ら指揮をとって広報するので、 内容を確認してほしい、と依頼されました。 最近、私自身、特に給料の安い20代の社員の食生活の酷さには危機感を抱いておりました…

ワーク・ライフインターンについて

朝日新聞デジタルに面白い記事があったので以下にコピーしました。 10,20年前の私が学生だったころに比べて、共働き世帯は多くなったのは 産業医としても実感してます。 現在、男性の給与のみでは、妻と子供1人までしか養えない、 と言われてますが、 …

管理監督者シュミレーションゲーム

私は、企業でラインケア研修をしています。その中では、特にメンタル不調の部下の早期発見、早期治療につながるような 内容を教えてます。 さらに、ニーズが高いのが、そのような部下への声のかけ方。 これらをシュミレーションゲームにしたものがありますの…

気晴らしの技術

3連休ですが、上手に気晴らしできていますか。 先日ある方に「仕事のストレス解消のために何をしてますか?」と聞かれました。 とっさに「別の種類の仕事をすることでリフレッシュしてます」と答えたら、 「もっと他に本当の遊びのようなことは」と聞き返さ…

季節性うつ病

秋から不調になり、ついに休職に入る方が増えています。 産業医としてフォローしておりますが、数年のお付き合いになると秋が要注意だとわかる社員がいらっしゃいます。 朝起きられない、何とか出社しても眠気が取れず、頭痛など身体症状が出るなどの症状で…

英語力の維持

日常業務に追われているとなかなか論文を読んだり、英語ディスカッションなどの機会がありません。 日常的に英語を使用している方が羨ましくなることもあります。 先日、娘が英検を受ける際に、受験会場でただ待っているのも勿体ないので私も申し込みました…

東洋大学特別講義

本日は、日本臓器移植ネットワーク理事の篠崎尚史先生に特別講義をしていただきました。 私は、普段は非常勤講師として「医学一般」の講義をさせていただいてます。 特別講義のテーマは「移植医療における国際情勢」でした。 私は、研修医時代眼科で、移植角…

主治医と産業医の診断書

先日、ある産業医に「矢島先生のブログは堅すぎる」と言われました。 一方、「矢島先生のブログを見るようにうちの社員に言ってます」とある産業医でお世話になっている社長様。 こんなこともあり、本来なら専門的内容と趣味的内容は分けてブログにするのが…

フランスかぶれが留学に

最近、留学や海外勤務経験のある医師の方々と食事会をする機会がありました。 彼らはハーバード大学院、ロンドン大学の大学院やジュネーブでの勤務経験があり、 私はパリ大学大学院。 ちょっと系統は違いますが、ジュネーブからフランスのブルゴーニュやイタ…

chagrin d'amour 恋の悩み

書こう書こうと思っていながら、一か月以上ブログ休んでしまいました。 その間、日常業務にプラス、秋の研修シーズンで、研修を提供させていただきながら、新しい知識や見解を仕入れるべく学会や研究会に積極的に参加していました。 さらに、大学での授業が…

お受験シーズン:子供の教育と仕事〜ワークライフバランス

秋がやってくると思い出すのが、娘のお受験。 自分自身の幼稚園受験は記憶にありませんが、娘の幼稚園受験は感慨深く思い出します。 当時、定員の都合で保育園に入れず、託児所にいた娘は、3歳になると出なければなりません。 すると、選択肢は幼稚園かまた…

経営にプラスになるメンタルヘルス活動とは・・・

今日は日本生産性本部の「組織ソリューション研究会」に参加してきた。 「職場のいきいき」をどう作るかをヘルスセクターだけでなくノンヘルスセクタ―のアプローチから模索するという話で、東京大学の精神保健の川上先生と一橋大学の守島先生のお話があった…

「玄武岩なんて何で覚えないといけないの」 娘の質問

ところで、先日12歳の娘に「なぜ、玄武岩とか勉強しないといけないの?」と質問されました。 娘は地学分野に興味が全くなく、私自身も地学でも理屈で解く問題は得意でしたが、「知識として知らないといけないもの」は苦手でしたから、娘の気持ちはよくわかり…

今日から秋学期:大学の授業開始 

現在、非常勤講師をしている東洋大学の授業が今日から始まりました。 「医学一般」という科目ですが、できるだけ役立つ授業に、と思って いつも授業しています。 社会福祉士の資格を取る学生、その他選択科目として受講する学生がいるのですが、資格を目指す…

海外派遣者の健康支援:途上国編

昨夜は、日本EAP協会のセミナーに参加しました。 産業医として中小企業から大企業に至る様々な企業でお仕事をさせていただいておりますが、 現在海外出張はもちろんのこと海外赴任がごく当たり前のことになっています。 そこで感じるのは、「国際派」とさ…

女性の健康の変化:年齢と社会階層の視点から

昨日はバレエのお陰で体が元気になり、夜は英文論文を読んでました。 オーストラリアの女性の身体的、精神的健康の縦断研究です。 オーストラリアはもともと性差医療が進んでいます。 女性の健康に関する研究予算も多いと先日会議で知り合ったChristina Lee…

特定保健指導:私もバレエを再開

特定保健指導を受けた社員が、スマホのアプリを利用したりして 体重管理や歩数管理し始めましたと見せてくださることが増えました。 やはり、動機づけになる人、にはなっている。 そうでない人には響きませんが・・。 私は特定健診(メタボ健診)で引っかか…

「社会階層と健康」国際会議2013 in 東京大学

週末は、東大の国際会議に参加しました。 「社会階層と健康」は、様々な切り口で語られます。 一般的には、健康状態はSES(socio-economic status)、 つまり学歴や収入による影響があるのですが、女性についての検討が難しいのです。 というのは、夫や実…

バカンスから帰りました: 機内読書「命の格差は止められるか」

以前、大学院でヘルスプロモーションの論文を書いていたころに、 私のテーマだった「社会経済要因を乗り越えて如何にして健康を手にできるか」という話がこの本には書かれています。筆者であるカワチ先生はハーバードの教授で、私も10年以上前は論文をよく読…

うつがメジャーになったのはいいことですが・・・身体疾患を忘れずに

産業医として、女性外来の医師として、最近感じるのですが、 年代差はあるものの「メンタルクリニック」という言葉のライトさが手伝ってか、 心療内科、精神科の敷居が日本人にとって大変低くなっていることを痛感します。 特に20代、30代では「ちょっとうつ…

人事より「先生、会社として従業員の状態を知らないと困ります。教えてください」

先日、このような要望があったので、改めて、触れておいたほうがいいと思いました。 個人情報保護法と職場の安全配慮義務についての論点です。 そもそも、医師や看護師には法律で守秘義務が規定されており、労働者に関する情報を漏らすことはできません。 し…

東証一部に指定替え:健康管理もポイント

私は現在10数社で嘱託産業医をさせていただいております。 今朝、ある企業よりメールがきました。 東証一部に指定替えになったとの報告でした。 健康管理も審査のポイントだったとのことで、お礼のメールでした。 本当にポイントだったかはわかりませんが、…

「エクササイズはしたいけど時間がない」 トランポリンがおすすめ

昨日、トランポリンが届きました。直径90センチですが、思った以上にコストパフォーマンスが良くて満足してます。 3500円で耐荷重80キロなので大きな男性には向きませんが、自宅で気軽にジョギングやテレビを見ながらただ跳ぶだけでも効果あります。 元オリ…

人事のよくあるセリフ:「この病気は仕事が要因ではないので会社としては・・・」 

「この病気は仕事が要因ではないので会社としては関係ありません」 これはよく聞かれるセリフである。 例えば、従業員がうつ病やストレス性疾患に罹ったときに、 仕事要因か否か、というのは確かに労災や会社側のリスクマネージメントとしては大切な要素であ…

Listen to the patient! 患者の声を聞きなさい

研修医の時に最初に部長に言われた言葉である。 医学生はたくさん勉強する。 特に国立大の医学生だった私は、国家試験対策についていえば 決して効率のいいとは言えないプログラムだったため、 12月から国家試験の3月までは8畳ほどのワンルームは布団を敷く…

恐ろしい事実:週末の過ごし方 論文紹介

従業員の週末の不十分なリカバリーが心血管疾患死のリスクとなるか?フィンランド人の労働者を対象に25年あまり追跡調査したもの。 週末のリカバリーは心血管疾患死と有意に関連していた。 しかし、他の疾患の死亡とは関連していなかった。 週末にリカバリー…

「先生、うちの○○さんはうつ病ですか」:「事例性」と「症例性」の問題

「先生○○さんはうつ病ですか」 と上司や人事から質問されることがよくある。 私は産業医としては診断する場ではないので、また、境界線の方もいらっしゃるので線引きはできるだけしない。 身体と心の問題は切り離せるものではなく、 さらに、どちらも原因と…

EAPの問題点:EAPは本来はメンタルサポートではない!

EAP事業は最近日本でもメジャーになってきている。 本来はその名のとおりEmployee Assistance Programであり 従業員の健康全体をサポートするはずだが、 日本語のウィキペディアには次のような説明がある。「EAP. 従業員支援プログラム(Employee Assistan…

人事担当者へ:産業医面談の有効な時間の使い方

産業医だけでなく、臨床医としても一人の患者(社員)様との面談時間についてはいつも気を使う。 特に産業現場では、人事の方が社員のスケジュールもあるとのことで、 ぴったり15分や20分で終わらせてほしいと言われることもある。 臨床でも時間のかかる患者…