バカンスから帰りました: 機内読書「命の格差は止められるか」

以前、大学院でヘルスプロモーションの論文を書いていたころに、
私のテーマだった「社会経済要因を乗り越えて如何にして健康を手にできるか」という話がこの本には書かれています。

筆者であるカワチ先生はハーバードの教授で、私も10年以上前は論文をよく読みました。
一般向けに書かれており読みやすいので、多岐にわたる分野の方が読んでも興味をもてると思います。
私自身は、復習とアップデイトに便利な一冊になりました。
いろいろなポイントが指摘されていますが、
特に「格差そのものがポピュレーション全体の健康に悪影響を及ぼすこと」が意外に感じられる方が多いのではないでしょうか。
つまり、社会経済格差は、貧困層、低学歴層に健康問題を生じることは周知の事実ですが、
「格差そのもの」が富裕層の健康に悪影響を生じることがわかっているのです。
アメリカの州ごとの死亡率とジニ係数(所得格差)の関係より示されてます。
格差が広がりつつある日本の寿命が短縮しないためにどうしたらいいのか、考えさせられました。