「玄武岩なんて何で覚えないといけないの」 娘の質問

ところで、先日12歳の娘に「なぜ、玄武岩とか勉強しないといけないの?」と質問されました。
娘は地学分野に興味が全くなく、私自身も地学でも理屈で解く問題は得意でしたが、「知識として知らないといけないもの」は苦手でしたから、娘の気持ちはよくわかります。
仕事をして帰宅するとなかなか忙しいもので、そんなさなかにクレームのように聞いてきたもので、ついつい即答をと
「将来どんな仕事につくかわからないし、関係あるかもしれないわよ。ママだって学生時代は地学は苦手だったけど、公衆衛生を専門にしたから地球環境問題も結果的に今は勉強しているし・・・」と
まあ上辺だけで取り繕う返答をしました。
しかし、その後、娘が寝てからワインを飲みながら、お風呂に浸かりながら
気になってよく考えてみるとそんな簡単なことではない、と娘への返答内容を後悔しました。
そもそも、私は国立大の医学部に入るために、数学、物理、化学をどれだけ勉強したことか・・。
高校が附属校だったため、高2の春に突然大学受験を決め勉強を開始したため、実に密度の濃い勉強でした。
学校の勉強と受験勉強のレベルの乖離は激しく独学に近い状態から、何とか塾でついていけるようにと最初は特に孤独でストイックに勉強する日々でした。
では、大学受験のために勉強したことが役立っているのでしょうか。
英語はもちろんYES、といえますが、あんなに難しい数学、物理、化学は臨床医学のために必要だったか、と言えば、受験だけのためだった気もします。
また、医学部では暗記科目が多く、たとえば、全身の骨の名前、1つ1つの骨
の中でも、凹凸の部分に名称がついていたりするのですが、200以上の名称をラテン語で暗記しました。
これはほんの一部ですが、本当に現在では使っていない知識をどれだけ詰め込んだか・・・と思います。
教養??
もちろん教養のためといえます。
しかし、もっと具体的な効果として、
こんな詰め込み方ができる!というのを10代20代で経験することは将来活きているのだと思うのです。
社会に出れば、自分が思い描いていた仕事だけをやっていくとは限らないどころか、ほとんどの人が、「えっ?!私が○○やるの?!」という経験をします。
新たに何かを習得する能力というのは、単純に考えれば記憶力が低下するため年齢とともに衰えるのですが、
習得するためのコツを培った経験があることで、新しい分野の習得力も高まるのです。
受験勉強や医学部での何十科目にもおよぶ試験勉強はこんな点でも現在の私の財産となり役立っています。
玄武岩が何なのか知らなくても確かに大抵の人は困らないし、興味持てないのは仕方ないのです。
しかし、それが試験にでるなら、試験前にそれを暗記でも何でもいいから「覚えるトレーニングができる」ということが将来活きてくるです。