地方の営業マンのメタボ

今まで20社ほどの様々な業種の企業で産業医として仕事をしてきて
本当に自分自身の社会勉強になってます。
そこで今日の話はメタボなのですが、この10年ほどはメンタルヘルスを中心に活動しておりますが、もともとは予防医学をメインに活動してました。

今週、ある会社の衛生委員会でリクエストに応え、メタボの話をしました。
運動と食事、生活習慣から脳卒中心筋梗塞などへの流れを説明。

最近痛感しているのは、地方の営業の人の糖尿病の多いことです。
そもそも地方の方は車生活のため歩く機会が少ないのですが、
外まわりの営業を中心にしている方は特に歩く機会がありません。
健診結果をみても、耐糖能異常の際に上昇するHbA1cが高い方が多く、
さらに肥満度を表すBMI(body Mass Index)が高い人が多いのです。肥満、糖尿病の温床になっているのです。
そういうわけで、そのような営業マンには、何かの機会に東京本社に来たとき、
または健診結果が悪いときに電話で、保健師と徹底的に食生活の指導と運動を勧めてます。

私自身、最近は真面目に、週一回仕事前にテニス、日曜日にはバレエの基本レッスンに通っています。

バレエ用語が分からず、用語集を買いました。
また、オフホワイトのレオタードも買いました。モーチベーションが上がります。
そんな話を面談である社員に「楽しそうに」話したところ、
彼が職場に持ち帰って、デスクの近くで周囲の人とストレッチを始めたそうです。
私は簡単に止められないように自分を追い込むためにテニス、バレエを始めたことを周囲に公言してます。
その影響で、ジムに通い始めたとか、ジョギングを始めた友人が増えました。
私のように体育会系でない人でも運動しているのですから、
元々体育会系だった人は敷居がかなり低いはずです。

もとはと言えば、私も「楽しそうに」スポーツをする人の話を聞いて、テニス、バレエを始めました。
スポーツを始める動機は、周囲の人の影響が大きいものなんだな、と痛感してます。
今更プロになるわけではないので、気楽に始めてみて、身体を動かす「楽しみ」が伝染していけば、と思ってます。
かなりひどい肩こりがあるのですが、最近はマッサージに行く機会が減りました。
また細かいことをクヨクヨ考えそうなときは身体を動かしたらスッキリします。

このブログでも紹介しましたが、運動はうつ病の予防にもなりますし、
学校の成績が上がる、社員のパフォーマンスがあがる、など身体的健康以外にも
効果があることが科学的に実証されてます。

私の「楽しい」運動話を聞いて少しでも多くの人が運動習慣を身につけてくれたら、
産業医として冥利に尽きます。