東京女子医科大学 公開医学講座 「女性の健康を生涯にわたり包括的に支援する」とは  5月16日


先週土曜日は、東京女子医大の公開医学講座でお話しをさせていただきました。
10年ほど前よりお世話になっている女性生涯健康センターで、女性の健康を生涯にわたり医療モデルだけでなく
より包括的に考え、支援する、というコンセプト。
私は産業医として「働く女性の環境とメンタルヘルス」という題で発表させて頂きました。
産業医として、様々な社員様と面談をしてますが、つい原因を追求してしまいます。
男女問わず、個人的、生物学的要因、社会的要因、また仕事以外の要因など様々な要因(factor)がメンタルヘルスに影響します。
Bio-psycho-social modelの視点で考えなければなりません。

ほとんどの会社ではまだ、事後対応、つまり不調者の管理にとどまるのですが、長期的利益を考慮すれば
もぐらたたきに終始するのではなく、
本当の原因の除去、つまり職場環境因子を検討すべきであることが多いのです。
さらにポジティブ心理学的な視点で考えれば、このような活動が会社の活力にもつながり、経営面でプラスに働くのです。

このような視点で、「働く女性をみる産業医」としては、女性活用の流れの中でもう一度「健康」というコンセプトで職場環境を検討しないといけないと痛感してます。
現在、管理職の女性を増やすという流れが出てきてますが、それ相応の教育体制、また子育てと両立できるような支援体制が必要です。
その中に「心身の健康」という視点も含める必要があります。
より包括的な支援体制の構築には「産業保健」に留まらない他部門との連携、つまり経営戦略、人事戦略のプロジェクトなどに働きかけ、連携してくことでより効果的、持続的体制が構築できるのではないかと思ってます。

最近、企業研修が多いので医療者の前でのお話は大変緊張しました。
終了後、様々な方からご感想頂き、大変感謝しております。
女性ならでは、の視点に対する共感が多いようでした。