うつの客観的指標 :EAP(エタノールアミンリン酸)

今朝の日経新聞

EAPエタノールアミンリン酸)によりうつ病を診断するという記事がありました。

うつ病の人と健康人との血液の血しょうに含まれているEAPの濃度に差があることが分かったことから、EAPの濃度を調べることで、うつ病の診断することができるようになったというもの。
うつ病の人EAPの濃度は、健康人に比べ低いことから診断できるのです。
このことから産業保健分野でも社員の早期治療に役立てるという記載でした。
たしかに、スクリーニングレベルでは効果的かもしれません。

しかし、気をつけるべきは、個人レベルで見たときにEAPの結果に左右されないようにすることです。
EAP濃度が低い人すべてがうつ病を発症しているとは限りません。
反対に血液検査で異常がない、と診断された場合でも、精神的・身体的に現れている様々な症状からうつ病と診断されることもあります。

うつ病は多様な症状が現われることが特徴です。
また、血液検査の診断結果についてもこれだけで診断できるというものではありません

EAP濃度はうつ病を発症していることを調べるための指標の1つにはなりますが、血液検査が全てではなく、あくまでも診断基準の一つとして考えるべきです。