新年度:「新入社員に対して産業医面談をする」

初々しいスーツ姿が4月らしさを感じる会社。
東京医科歯科大学という、都心の単科大学で育った私は20歳になった3年生に教養学部から医学部に移り病院の中にある教室で授業を受けることになり、それ以来、社会人になっても病院勤めの毎日でしたので、社会人は白衣が当たり前。いわゆる「スーツ姿」の方々を見るのは学会くらいでした。
産業医として活動する今は、スーツ姿の方しかいない会社や、作業着姿の方々がいらっしゃる工場で社会に触れた気になって感激してます。
ところで、三井化学産業医の先生が以前おっしゃっていたことを紹介したいと思います。
産業医として「新入社員は短時間でもいいから会っておく」といいと。
それは、新入社員がその後の会社人生の中で、様々なことが起きた時に相談しやすくなるから、とのこと。
それには大賛成(産業医としては仕事増えて大変ですが)。
それは、不調になってから、いきなり会社に言われて産業医面談を受けないといけない立場に置かれた方の相談に初対面で本当に相談にのれるのか、という問題があるからです。
私がよく言われるのは、「産業医だからおじいさんが出てくると思いました。先生でホッとしました」など・・。
おじいさんには説教されるかもしれない、と思っていたのに、そうでもなかったと思っていただけて、こちらもホッと胸を撫で下ろすのですが、もっと前から面識があったら不調のときの社員様ともっと話しやすかったのに・・と残念に思います。
特に、入社1,2年は離職率も高いものです。
本当に退職が冷静な判断か、を産業医にでも相談してくれたらと思います。
過剰なストレスのもとでは冷静な判断はできません。
特に早期離職率の高い会社では、社員が自分の頭を冷やすツールとして、ネットで一般論に乗せられるだけでなく、もっと現実的な産業医を利用できるという体制を整備するのもいいのでは、と思います。
またそのことで会社側としても、早期離職者の要因分析ができるのではないでしょうか。