女性の結婚と仕事:専業主婦は女性の叶わぬ理想コースに?!

先日、職場のビルのエレベーターで、他の階で働く20代らしき女性が、「早く結婚相手見つけて主婦になりたいよね」と二人で話していたので少し驚いた。
私の感覚とは違いすぎて・・・。

国立社会保障・人口問題研究所「第14回出生動向基本調査」の18歳から34歳の未婚男女の希望するライフコースの調査によると、
女性は理想ライフコースとして、
再就職コースが再就職コース(結婚し子供を持つが、結婚あるいは出産の機会にいったん退職し、子育て後に再び仕事を持つ)が35.2%と最も多く、
次に両立コース30.6%である。
そして今日注目したいのが、
専業主婦コースについては、理想ライフコースでは19.7%だが、予定ライフコースでは9.1%であり、
理想ではないけど、結婚後も働かなきゃいけないだろうな、ぐらいに想定している者が多いとのこと。
一方、男性の意識では未婚男性がパートナー女性に望むコースでも、再就職コースが39.1%で最も多く、専業主婦コースは10.9%と低い。
つまり、男女ともにの共働き思考が高いことがわかっている。

ここで気になったのが、専業主婦コースを望むのが、女性の方が多く約20%男性は約10%と2倍の差がある点。
80年代後半から90年代には「女性の社会進出」などと女性自身がキャリアアップを望みながらも「夫の理解」が課題となっていた。
家事・育児がおろそかになっては困る、と夫は言う「余裕」があったのだろう。
現在は実際に産業医面談で30歳前後の男性社員に聞いても、口をそろえて、妻にも仕事を続けてほしい、という。
給与水準の低下が要因なのか。

いわゆる女性の「主婦思考」は高度成長期に顕著になったと言われるが、再び「主婦になるのは贅沢」という時代の到来が来つつあるのかもしれない。
女性としても、「一家の家計のために」社会で仕事をしたかったわけではなかったと思う。
いわゆるバブル世代の就労かつ既婚女性では、「自分の稼いだお金は自分のもの、夫の稼いだお金は自分のもの」と考えている女性もよく見かける。
私自身も、20代のころは結婚するなら「自分は自己実現のためにお金にならない仕事を続けながら、家計を支えてくれる理解ある男性」が理想だと思っていた。
しかし、現在30代前半より若い年齢層では、「二人が稼いだものを分配」という話をよく聞く。
実際、私の経験でも40歳代以上の男性と30代前半以下の男性で、女性にお金を出させることへの心理が随分違う。
私の母の世代に「ヒモ」と呼ばれそうな「男性を食べさせる女性」もよく見かける。
日本人女性も、ずいぶん覚悟ができてきたと感心してしまう。
是非はともかく、働く女性の健康がますます重要になってくると実感している。