月経随伴症状に関連した社会への経済的負担額(年間)は約 6,828 億円:バイエル

バイエルは15歳から49歳の日本人女性約2万人を調査した。
その研究によると上記のように、経済損失は約6828億円にも上るとのこと。
内容は以下のとおり。
・月経随伴症状(痛み、集中力、行動の変化、自律神経失調、水分貯留、否定的感
情)のある女性は回答が得られた全体の約 74%でに悩む女性は全体の 74%にも及ぶが、月経随伴症状での通院経験のある女性は、全体の 20.4%にとどまる。
• 月経随伴症状による日常生活への支障・制限は、症状の重症度に応じて増大する。

上記の社会への経済的損失6828億円は通院費用、市販薬の費用、労働損失の推計値合計である。
また、月経痛が高頻度にみられる女性では、将来の子宮内膜症発症のリスクが高くなることが知られており、また子宮内膜症は未治療で放置しておくと不妊の原因となる可能性がある疾患である。
未病のうちに症状を聴取できる私のような産業医や他科の医師が婦人科の知識を普及し、必要な際には受診を奨めていかなくてはいけないと実感した。
通常の健診に加え、子宮がん検診や乳がん検診はオプションとなっていることが多いが、
必要性をお話し、受診者負担を下げるよう会社にお話することもある。
ある会社では100%、子宮がん・乳がん検診、を負担して下さった。
子宮がん検診には、婦人科の他の疾患の診察も含まれているため、大変有用であり、
その結果をもとに産業医である私に相談にくることも増えた。
漠然と、かもしれないけど、どんなキャリアの女性であっても、
すべての女性は将来妊娠希望する可能性があり、女性にとって婦人科の疾患の知識を持っておくことは有用なことであると痛感している。
また、企業にとっても、今後女性起用が増えていく時代、
月経随伴症状の重症度の高い社員が適切な治療や対処につながり、
つらい症状が軽減することは、労働損失、生産性の意味でも大きいだろう。

参考論文
Burden of menstrual symptoms in Japanese women: results from a survey-based study
Journal of Medical Economics November 2013, Vol. 16, No. 11 , Pages 1255-1266