育休3年:安倍政権の成長戦略について

最初に、この話を聞いたとき感じたのは、育休3年も休暇を取る女性像は決まっている。
戦力外視され、企業の中で単純労働に徹し、派遣社員さんよりも仕事ができない人になってしまうようなタイプだろうな、と勝手にイメージしてしまいました。
それはそれで企業の中でも大切な役割を担っているので選択肢としてはいいものだとは思います。
ただ、本当に女性が仕事を継続でき、才能を伸ばし将来にわたって活躍できるような会社をつくるのであれば、
子育てと両立できるようなシステムや社内文化を構築するほうが、有益だと思うのです。
子供1人で休暇3年だと、2人の場合は何年になるのでしょうか。
そんなことを言い出したら大切な20−30代の時間が社会人として空白になることは明らかでしょう。
女性社員は育たないでしょう。
私は、研究室で20代後半のころ、上の先生に、
「あなたは将来結婚するのしないの」と聞かれました。
まだ、計画もないし、相手がいてできるものだし、・・・返答に困ってしまいました。
「結婚するかしないか明示してくれないと扱いに困る」との話でした。
つまり、結婚しないなら、キャリアの道は開けるけど、
結婚して子どもがいるなら大学には残れないという意味だったのでしょう。
確かに、研究室はスタッフの人数も限られており、勤務時間などない労働スタイルですし、海外出張も多いので子持ちは困るのは十分理解できます。
そんな意味では中小の事業場によく似ています。
一人休むとしわ寄せが大きいという点で。
しかし、もしあのとき、ワークシェアなど、All or Nothingの選択以外があったならば、子育て期間中に大学や病院勤務もできたともいますし、保健所を辞めなかったでしょう。
勤務を継続していたら、もっと最新の医学に触れる機会が増えたと思います。
「継続は力なり」
企業の復職支援をしていると強く感じます。
皆さん、前やっていたことがなぜこんなに大変なのか、と訴えます。
私は、「慣性の法則」と呼んで説明してます。
自転車の車輪が回っていれば、たとえ減速しても、止まってから改めて動き始めるよりずっと楽なのです。
一度止まってしまうと、動かすエネルギーが余分に必要になるのです。
もちろん、病気の休職者と育児休暇明けの人を比べるわけには行きませんが、育児休暇明けの方は、「子育て」という負荷が足されている分、
多大なエネルギーを要するのです。
そのためにも、育児休暇を延ばす支援よりも、子育てしながら仕事をする支援を充実させるべきだと思ってます。