DVについて

最近、DV被害の末の殺人や殺人未遂が増えています。
私は、大学の女性外来でDV女性の診察をすることも多く、また、産業医としても女性社員のDV被害を目の当たりにすることがあります。
発見が遅れていく要因は様々ですが、女性自身が自責感が強く、
「自分さえもっと夫の言うとおりきちんとできれば」
「だめな自分は殴られても仕方ない」などと思っていたり、
また、男性の脅しにより離れられないなど、様々です。
来週の短大の授業はDVをテーマにしました。
若い女性がDVを自覚できし、早期発見対応できるように知識を普及していきたいと思います。
授業の準備の際に見つけたWHOのサイト。
DVの国際比較ですが、アフリカ、中東地域に多いようです。
確か、中東では妻が夫の許可なしに国外に出れない、などという法律がある国もあるそうです。
そう言えば、パリにいた頃、イスラム教の国の人と結婚する際には相手の国の法律を調べましょう、などという広告もありました。

以下、WHOのサイトです。
http://www.who.int/gender/violence/who_multicountry_study/

また、実際の相談機関として、
東京都女性相談センター、東京ウィメンズプラザ、警視庁総合相談センターがありますので、上手に利用してみるのもよいでしょう。

被害女性がそれでも夫と別れない理由は、子供を挙げることが多い(57.3%)。しかし、DVを目撃する子供もまた「被害者」となり、心身ともに発達へ影響することもある。
また、経済的不安は18.9%とあるが、私自身の経験では、経済的不安を訴える女性はもっと多いと感じている。

また、女性被害者の話をすると、男性には「自分もDV受けた」という意見が相次ぐ。
妻から、物を投げられた、言葉の暴力を受けた、という男性が多いが、
18.7%の男性がDV被害を受けているという。