睡眠時間と睡眠覚醒リズムが大切

御無沙汰してしまいました。
先週は、東京フォーラムで日本公衆衛生学会が開かれていました。
久しぶりに診察は休んで、学会へ。
「睡眠公衆衛生」がテーマでした。
精神神経学会と公衆衛生学会のテーマが、昨今近くなってきている気がします。
睡眠時間によって、生活習慣病や肥満、うつ病の発症率が異なります。
つまり、肥満や糖尿病、脂質異常が睡眠時間が少ない群と多い群で高い比率になるというものです。
横軸を睡眠時間、縦軸を肥満や糖尿病、うつ病の発症とするとU字カーブになり、6時間から7時間くらいが発症率の低い、「理想の睡眠時間」だとグラフでひと目でわかるのです。
もちろん睡眠は時間だけで評価できません。
現在、痛感しているのは、IT企業で就寝時刻が真夜中になっているケースが多いことです。
1時ころ帰宅して3時ころ寝て8時ごろ起きる20代―30代が何と多いこと!
5時間寝ているからいいだろ、という感じなのですが、
まあ、元気な時はいいけど、メールのやりすぎやパソコンを夜中にいじることで少しずつ就寝時刻が遅くなるパターンがあります。
終電で仕事から帰り、食事をして、メールで雑用すれば遅くなってしまうのはよくわかります。
また、途中でゲームを始めれば一日の精神的疲労も癒されるかもしれません。
しかし、就寝時間がずれて遅くなると「睡眠覚醒リズム障害」が生じます。
そうなるとなかなか前倒しにするのが難しいのです。
これが睡眠薬の効きにくいタイプの睡眠障害です。
睡眠は時間だけでなく、リズムも大切だと時々思い出してください。