産業医の話「合わない人と一緒に仕事するのが辛くて」

最近、「合わない人」と仕事をしていてストレスをためこんで相談にくるケースが増えています。
相談者は30歳前後の社員がほとんどです。
話を聞くと確かにそんな人と仕事をするのは厳しいですね、
と同情できるものもあれば、
むしろ相談者が敏感すぎるのでは?わがままでは?
と感じてしまうものまで様々。
私自身は、仕事の同僚や先輩に足をひっぱられたり、
はめられたりという経験が豊富?!なので
個人的には、まあ仕事が妨害されるなどの実害がなければ
目をつぶったら?などと思うこともよくあります。
では、合わない人には、どのように対応するべきなのでしょうか。
まず、客観的に見て本当の「困ったちゃん」と仕事をしなくてはならない場合。
上司や周囲の人に相談をしてみましょう。
当たり前のことですが、それすらできずに悩んでいることもよくあります。
会社が対応してくれるかどうかは別ですが、
大抵の場合、周囲の人も同感だったりしますので、悩みを聞いてもらい共有することで、少し気が楽になるものです。
また、そうすることでいい対応策が見つかるかもしれません。
次に、相談者の目からみて「困ったちゃん」というだけで、
むしろ、その相談者が適応できる人間のタイプが狭く、
人間関係構築の障害があるパターン。
相談に来ていただいても、医師として具体的に環境を変える話にはもって行きにくいのですが、
実際相談者自身は悩んでいるのです。
その人の主張を聞きながら、やり過ごす方法を見つける手伝いをします。
その人自身の適応能力を向上させていくのが私の役割かと思ってます。
場合によっては、心理療法などを薦めます。
全般的に最近は社内のコミュニケーションが不足していることが多く、
お互いに相手を誤解していることもあります。
また、ちょっとしたことでも相談できずにため込んでいることがあります。
様々な会社を見ていると、「社員のコミュニケーションは会社の財産」であると実感します。