料理のフランス語
ゴールデンウィークなので、ちょっと息抜きのお話を。
現在短大の授業を担当してます。
雑談を少し加えながら飽きないようにと配慮しながら授業してます。
私は以前は海外学会などきっかけを見つけてはあちこち行ってました。
ツアー旅行はしたことがありません。
年上の方々とお食事会をさせていただく機会がありますが、
マイナーな国の旅行の話になると私も負けません。
マダガスカル、イスラエル、ラオス、あとはヨーロッパの鉄道は結構乗りました。
プロバンスとコートダジュールのドライブも何回かしました。
ニースからアルプスのグルノーブルに電車で抜けようと思ったら、途中で廃線になっていてバスで運んでいただいたこともありますし、パリから寝台特急で14時間かけてマドリッドに行ったこともあります。
話はそれましたが、授業の雑談でついつい海外の話をしてしまう私ですが、
そこで学生から、「先生は何カ国語話せるの?」と聞かれました。
実際いろいろな国に行きましたが、結局、英語とフランス語で何とかなってます。
ただ、やっぱり現地の言葉を知らないと、看板ひとつ読めませんので面白くないのです。
今教えている学生は栄養の学生なので、ぜひフランス語でも、と勧めました。
やっぱり、フランス語でレストランのメニューを読めたら楽しいでしょ。
そこで今日は 「ポワール」の2つの全く違う意味を紹介します。
聞いたことあるフランス語だと思います。
意味は???
フレンチレストランに行って、メニューがフランス語とカタカナで、あるいはカタカナのみで書いてありますよね。
カタカナというのは、日本語より子音母音ともに豊富なフランス語を日本に近い音(おん)で示しているものです。
そのため、日本語ができるフランス人に「日本語で一番難しいのは外来語」といわれました。
私も「フランス語できるのだから、どういう意味か教えて」と聞かれても、日本人の発音だけではわからないことがあり、スペルをみて、「なーに、これのことね」ということもよくあります。
フランス語に比べて、似ても似つかぬ音になっているのです。
たとえば、ケーキ屋さんの「シャルロットポワール」。
このまま発音しても理解されないことが多いのです。
これは、よくある旅行会話集のカタカナを読んでも通じないことでわかると思います。(旅行会話集は読むより見せて指で示すほうが効果的)
シャルロットポワールの「ポワール」はpoire で洋ナシのことです。
洋ナシのシャルロット。ケーキの周囲がふわふわしっとりの生地で囲まれていて中に洋ナシをのせたものです。
では、同じ「ポワール」でも違う意味の料理用語があります。
フライパンです。「ポワールpoele(本当はeの上には山型のアクセントがつきます)」はフライパンのことです。
フランス語ではスペルも発音も違うのですが、日本語にすると同じになってしまいます。
ところで、メインディッシュで、「ポワレ」という単語を目にしたことがありませんか。
では、ここでクイズ。「オマール海老のポワレ」って一体何でしょう?
「ポワレpoeler(本当はeの上には山型のアクセントがつきます)」は「フライパンで炒めたり、蒸し焼きにする」と
いう意味です。
ここでひとつ例を。
Homard poele aux herbes fraiches
(オマール ポワレ オ ゼルブ フレッシュ)
ポワレされたオマール海老がフレッシュなハーブであしらわれている
というイメージです。
これをいわゆる日本語のレストランメニューにすると
「オマール海老のポワレ、フレッシュハーブ風味」という感じでしょうか。
見たことある気がするでしょ。書いているだけで、口の中に風味が漂ってきます。
今度フランス料理のメニューを見るときは「ポワレ」がでてきても
もう怖くない!!