第五回TOMH交流会

東大の産業メンタルヘルス交流会に昨日参加致しました。
昨日の演者は北里大学の公衆衛生の江口尚先生でした。
テーマはソーシャルキャピタル社会関係資本)と経営学の視点から職場のメンタルヘルスを考える、という話でした。
ここでいうソーシャルキャピタルはリソースとしてとらえ、信頼、規範、サンクションの行使など特定の社会集団のメンバーが利用可能なリソースのことです。
簡単にいうと「人と人のつながり」と捉えられます。
この「ソーシャルキャピタル」は健康に関連します。
人とのつながりが少ない人は死亡リスクが2倍以上になることも心臓疾患になる可能性もわかっています。
そこで、職場におけるソーシャルキャピタルについて考える会でした。
職場に目を転じると、ソーシャルキャピタルが高い場合には、従業員一人一人が、物事が計画通りに運ぶことを信じることができ、自分たちの専門性が評価されると感じることができるそうです(Oksanen et al,2013)
企業レベルでは、秩序や相互扶助の精神が生まれ、仲間への信頼から積極的なリスクテイキングの行動が生まれるそうです(鈴木2013)
昨今の企業の特徴として、外国人労働者、女性就労の増加、様々な企業からの中途採用など多様な労働者が集まって形成される職場が増えました。
雇用形態も正規、契約社員、パートなど様々です。企業は法令に基づき障害者雇用の雇用率も増やさなければなりません。
このような多様な構成員で成立する職場で、「ソーシャルキャピタル」を見直すことが企業にとってキーポイントになっていくのです。
しかし、ソーシャルキャピタルの負の側面も無視できません。
そちらにむしろ私は個人的に関心を持ちました。
負の側面は例えば、多様性に寛大でなく、個人の自由を制限する規範に従うように期待される、村八分やメンバーの平均化などです。
これについては、私自身も実生活から納得しました。
地域のソーシャルキャピタルについて、場合によっては健康と負の相関が出たそうです。
これは女性労働者にとっては、特に負の側面は大切なポイントになるでしょう。
詳細はまた別の機会に。