生理休暇の取得率は4.4%

お恥ずかしい話ですが、私自身、このような休暇があるのを知ったのは、保健所に勤務するようになってから。
また、周囲の女性に聞いてみても、「知らない」とか「そんなのとらせてもらえるわけないでしょ」などの反応が返ってきた。
現在、月経を理由として就労が困難な女性には、労働基準法で生理休暇が認められている。しかし、過去1年以内に生理休暇を取得した割合は4.4%と低い。

第一生命ライフデザイン下開氏の調査では、
月経痛が重いと答えた女性(45歳未満)に、過去1年間に生理休暇を取得しなかった理由をたずねたところ、「取得しづらいため」が38.1%で最も多く、次いで「休むほどのことではないため」(33.0%)とある。
薬を服用すれば出勤できることから、休むほどのことではない、という女性が少なくないようだ。
ただ、休暇が取得しづらいためか、「生理休暇のかわりに年次有給休暇を使用するため」という回答も23.7%と少なくないとのこと。
産業医面談によると、男性上司や人事に言いたくないという20代女子も少なくないので、そのような人は年次休暇を取っているのだろう。
女性にとってデリケートなことなので、生理休暇を他人に知られずに取れるようにできないのか。
たとえば、年次休暇と生理休暇、と分けずに女性には年次休暇を多く付与するとか、制度があったらもっと利用しやすい制度になるのでは、と思ってしまう。

産業医である私のところに相談に来る女性で、月経痛の相談はそれほど多くない。
しかし、それは実情とは異なるというデータもあった。
月経痛への対応として、45歳未満で月経痛が重い女性では、
「市販薬を使用した」(42.4%)、「産業医等健康管理部門に相談した」(7.6%)割合が、月経痛が重くない女性に比べて高い。
しかし、月経痛が重いと答えた女性でも、「先輩や同僚に相談した」「産業医等健康管理部門に相談した」割合はいずれも1割未満と、職場で相談する場のある女性はほとんどいない。「特に何もしなかった」と回答した女性も26.1%と、月経痛が重くても何も対応していない女性も約4人に1人いる。
現在、月経痛への対処は、市販薬だけでなく、様々な方法がある。
またそこに隠れている病気についての知識をもつことも将来妊娠を考える女性として大切である。
そのような意味でも、婦人科の敷居が高い方にとっても、一度女性産業医に相談する価値はある。