Jwave行ってきました「落ち込んだときにはどんな曲?」

何となくブログをお休みしていましたがラジオに出演したのでお知らせします。
土曜日にJwaveのショーンさんの番組にお邪魔しました。
http://www.j-wave.co.jp/original/makeit/
昨年12月にも出演させていただいた「職場の悩み相談」の第二弾でした。
毎日産業医というお仕事で、職場の悩みを聞いているはずなのですが、
いざ生番組でお話を聞くと気の利いた返答ができか・・・。
ところで、番組の中でショーンさんから突然の質問。
「気分が落ち込んだときはどんな曲を聴くといいのか」
大抵の方は、落ち込んだときに元気にしてくれる、勇気を与えてくれる曲を聴くものです。
それはそれで元気になるのであればその程度の落ち込みなのでいいでしょう。
しかし、どうしようもないほど落ち込んでいるときに、
元気な曲で自分を奮い立たせようとしたら、
「がんばれ!がんばれ!」と励ますようなもの。
医療界では常識ですが、うつの患者さんには「がんばれ!」は禁句。
私が受験した頃の医師国家試験では、
うつ病の患者に、人生いいことがあるから、がんばれと励ました」
と言う内容の正誤問題がありました。
これに○をすると、どんなにいい点をとってもそれだけで国試不合格になるという地雷問題で有名でした。
(実際の診療の場面では、うつだからと言って絶対に励まさないわけではありません。患者さんの状態を見ながら、言い方を選んで励ますこともあります)
何はともあれ、落ち込んでいるときは、好きなことをやって気分を紛らしたり、元気な音楽を、というのはもちろんいいのですが、
あるレベルを超えるとそれすらついて行けず疲れてしまうのです。
つまり、自己回復力がないほどエネルギーレベルが下がっているのに、
無理にエンジンをかけようとしているようなものなのです。
楽しみに乗り切れない自分を受け入れてあげないといけません。
そんな時は、週末はひたすら寝るとか、悲しい映画を見て泣くとか、
今の自分の感情を素直に放出して発散しましょう。
賛否両論ですが、米国の診断基準DSM-Ⅳでは、「2週間」という期間にうつ病に関するいくつかの症状が継続している、ということがうつ病診断基準になっています。
そこで提案。
2週間で週休2日として、つまり4日間。
自分の身体と感情に素直に時間を過ごしたらいかがでしょうか。
大抵、かなり回復します。