経営者にとってメンタルの管理は矛盾??

この数年、実に業種を問わず様々な企業で産業医として活動をさせていただいています。
最近、数社で問題になるのが、産業医が行うメンタル活動は、
経営者の理念と矛盾する、という話。
つまり、ベンチャーの社長や小売業では、「時間など関係なく働いて自分を伸ばせ!!」というかけ声のもとで社員は必至に頑張っています。
その中で、過重労働だの過労死や自殺など社員がマイナス思考に陥りそうな話は持ち出されては困るというのです。
労働安全衛生法で、過重労働者へのケアは規定されているため、それを実施しようとする会社は多いのですが、
中にはそれすら抵抗感をもつ会社もあります。
社長と人事の意見の相違が生まれるのです。
私としては、産業医として会社の活動力を低下させることは本意ではないので、あくまでも福利厚生、
そしてリスクを抱える社員の早期発見、という視点で
メンタルの管理もさせていただいています。
決して社員の士気を下げるようなことはないと思っています。
むしろ、社員にとっては会社がそのようなサービスを提供してくれる、という事実が会社への信頼や愛着につながるという調査結果もあるくらいなのです。